アクリル塗料とは?メリットやデメリット、他の種類の塗料との違いも解説
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Ryo
こんにちは!Ryoです。

今回の記事のテーマは、「アクリル塗料」です!

アクリル塗料とは

アクリル塗料とは、アクリル樹脂を原材料に含む塗料のことを言います。アクリル塗料は20年ほど前までは外壁用塗料の主流として用いられてきましたが、耐久性に優れる「ウレタン塗料」の登場により徐々に使用される場面が減ってきているのが現状です。

現在、リフォーム工事でアクリル塗料が用いられるケースはかなり少なくなっていますが、アクリル塗料ならではのメリットは多くあり、現在でもさまざまな用途に使用されています。安定性が高く素人でも取り扱いやすいことから、DIYなど個人用途ではいまだ高い人気のある塗料です。

アクリル塗料のメリット

アクリル塗料には、アクリル樹脂の特性を活かしたさまざまなメリットがあります。アクリル塗料が誕生した当初は、この塗料が持つメリットは他の塗料を圧倒しており、それ以前まで使用されていた従来の塗料にかわって圧倒的なシェアを奪うほどでした。現在では「ウレタン塗料」や「シリコン塗料」などさらに高性能の塗料が開発されていますが、メリットの多いアクリル塗料が活用される場面は多く、今でも各塗料メーカーからたくさんのアクリル塗料が販売されています。

コストパフォーマンスに優れている(安く施工できる)

アクリル塗料の最大のメリットは、優れたコストパフォーマンスです。アクリル塗料は価格が安いので、広い面積を塗装する場合にはウレタン塗料やシリコン塗料など高性能の塗料を使用するのに比べ、コストを大幅に抑えられます。製品によって価格は異なりますが、シリコン塗料と比べて約3割ほど安く入手できるので、限られた予算で工事するのに最適な選択肢と言えるでしょう。

耐久性など塗装以外の要素も考慮した総コストで考えるとウレタン塗料やシリコン塗料も優れたコストパフォーマンスが期待できますが、単純に塗装コストだけを比較するのであればアクリル塗料に強い優位性があります。アクリル塗料は、とにかく支払額をおさえて安く施工するのに最適な塗料と言えます。

ツヤの良さや発色の良さがある(色合いが鮮やか)

アクリル塗料は、優れた艶感と発色の良さを併せ持つ色鮮やかさが魅力です。塗料の中には仕上がりに艶が少ないマットな発色になるものもありますが、アクリル塗料は艶のある美しい仕上がりが特徴の塗料です。非常にはっきりとした色合いに仕上がるので、塗料の美しさを生かし、鮮やかに仕上げたい場合にぴったりな塗料です。

多くの製品ラインナップがある

長い歴史を持つアクリル塗料は、各社から多様な製品が発売されており、豊富なカラーバリエーションがあります。大手塗料メーカーだけでなく中小メーカーも含めると製品の選択肢は非常に多く、同じカラーでも微妙に色合いや質感の異なる各社の製品の中から選択できるのは、色にこだわる方にとって大きなメリットです。

高い吸湿性を持つため重ね塗りがしやすい

吸湿性に優れるアクリル塗料は重ね塗りがしやすく、下地処理なしで直接上塗りをしてもしっかりと定着させることができます。頻繁に塗り替える場所にアクリル塗料を用いれば、塗り直しの時期が来ても最低限の下準備だけで塗り直し作業ができるので、メンテナンスコストを削減できます。

塗膜が劣化し浮きや剥がれがでてしまっている場合には下処理が必要ですが、目立った劣化がなければ問題なく上塗りができます。アクリル塗料は発色がしっかりしているので、下地がどのようなカラーであっても上塗り塗装の色合いにはほとんど影響ありません。全く別の色に塗り替えても、下地の色の影響で変色することなくなくキレイに仕上がります。

扱いやすい1液型が多く、施工の失敗をしにくい

ほとんどのアクリル塗料は、混合作業不要の「1液型」です。開栓したらそのままハケやローラーにつけて塗装できるので、施工の失敗が起きにくいのはアクリル塗料ならではの大きな特徴と言えるでしょう。

複数の液を混合するタイプの塗料だと希釈や撹拌のために専用の機材が必要になり、作業も増えるため手間がかかりますが、直接塗れる1液型なら作業負担が軽減されるだけでなく、濃度調整の失敗なども起きず素人のDIYでも失敗なく簡単に取り扱えます。

内部に使用することで、長く利用可能

アクリル塗料は、外気にさらされない内部塗装に利用すれば長く利用可能です。塗装面の寿命は、外気の条件によって大きく変わります。寒暖差が少なく環境が安定している内部塗装用途であれば、アクリル塗料は10年以上長持ちすると言われています。

アクリル塗料のデメリット

アクリル塗料にはいろいろなメリットがある一方で、デメリットもあります。デメリットを良く理解せずにアクリル塗料を用いてしまうと、トラブルの原因となる場合があります。アクリル塗料を扱う際は、デメリットを理解した上で、適切な用途で扱いましょう。思わぬ失敗につながることのないように、アクリル塗料のデメリットを知っておきましょう。

塗膜の劣化が早い(耐久性が低い)

アクリル塗料には、塗膜の劣化が早く耐久性に優れていない、というデメリットがあります。外壁に塗装した場合のアクリル塗料の寿命は5〜8年ほどで、10年持たずに劣化してしまいます。アクリル塗料は原料として使用されているアクリル樹脂の性質上、酸化が起こりやすい事から耐久性が低く、長持ちは期待できません。

短期間で塗り替える必要があるので、価格が安く導入コストは低く抑えられても維持コストがかかってしまうため、総コストで比較すると価格優位性はあまり期待できません。

塗替え時に手間となる場合がある

重ね塗りしやすいのがアクリル塗料のメリットですが、実際に塗り替える際に作業が簡単とは限りません。劣化が早く進むアクリル塗料は浮きや剥がれが発生しやすく、そのままでは重ね塗りできないことがよくあります。

劣化した塗装面をそのままにして塗り替えるとしっかりと定着せず、短期間でぼろぼろと剥がれてしまう恐れがあります。塗替え時に浮きやハガレをきれいに落として下地処理すれば問題なく塗装できますが、下地処理作業の手間が負担となってコストがかさみます。

塗膜が固いのでひび割れ(クラック)になりやすい

アクリル塗料は塗膜が固くなることで高い防護性を発揮しますが、塗膜が固いことでひび割れしやすいというデメリットも発生します。ムラなくキレイに塗装しても、乾燥や温度変化によるひび割れは避けられません。

ノビの良い弾性アクリル塗料を用いたり、あらかじめ塗膜の収縮によるひび割れを見越して塗り直しを考慮した施工計画を立てたり、と工夫次第で対処は可能ですが、ひび割れによる耐久性の低下は懸念材料です。

過度な浸透性

アクリル塗料には優れた浸透性があるので、湿気がたまりやすい室内の塗装に向いています。一方で、過度な浸透性による湿気の悪影響は大きなデメリットです。アクリル塗料で塗装しても、防湿効果は期待できません。雨の多いエリア外壁をアクリル塗料で塗装した場合、外部からアクリル塗料越しに内部に湿気が浸透し、住宅に悪影響をおよぼす可能性があります。

アクリル塗料とその他の塗料との違い

アクリル塗料を上手に活用するためには他の塗料とどのように違うのか、個性や特徴を正しく理解することが求められます。他の塗料と比較することで、塗料の特性を活かした使い分けが可能になります。

アクリル塗料とウレタン塗料の違い

ウレタン樹脂を主成分とするのがウレタン塗料です。ウレタン塗料は高い耐久性が特徴で、アクリル塗料よりも塗装面が長持ちします。外壁塗装の用途ではアクリル塗料の寿命は5〜8年ほどですが、ウレタン塗料は10年ほどの耐久性があると言われています。

また、ウレタン塗料は非常に柔らかく、塗膜にも弾力性があります。アクリル塗料は塗膜が固いためひび割れが発生しますが、柔らかいウレタン塗料の塗膜面はほとんどひび割れしません。塗膜の耐久性も高く、傷つきにくいので美しい塗装面が長持ちします。

アクリル塗料とシリコン塗料の違い

シリコン塗料は、アクリルシリコン樹脂を主成分とする塗料です。シリコン塗料は安定性に優れ、どんな環境でも変質しにくく長寿命なのが特徴です。シリコン塗料で塗装した外壁の寿命は、10年〜15年と言われ、これはアクリル塗料の約2倍の寿命にあたります。塗料価格こそウレタン塗料のほうが高価ですが、寿命を考えた総費用を考えるとウレタン塗料のほうが安く、コストパフォーマンスに優れることがあります。

耐熱性、耐候性にも優れることから塗装面の劣化が非常に遅く、いつまでも美しい状態が保たれます。耐久年数と価格のバランスがいいことから、外壁塗装にはシリコン塗料が最も使われています。やや扱いにくいことからDIYではあまり使われておらず、販売されている製品もアクリル塗料のような一般向けが少なく業者向けの大容量が中心となります。

アクリル塗料とフッ素塗料の違い

施工に使用されている塗料の中で、最も耐久性に優れるのがフッ素塗料です。フッ素樹脂を主成分とするフッ素塗料の耐用年数は、15年〜20年とアクリル塗料の約3倍です。長持ちする反面、価格はアクリル塗料の3倍程度と高価なので、一般住宅ではあまり使われていません。フッ素塗料は大型施設など、塗替え工事の負担が大きい建築物で主に使用されています。非常に耐久性が高く、環境変化による影響をほとんど受けません。風雨や寒暖差など、厳しい環境条件の場所での塗装に最適です。

アクリル塗料と無機塗料の違い

アクリルやシリコンなど石油由来の有機物を用いる有機塗料に対し、鉱物などの無機物を主成分とするのが無機塗料です。無機塗料の最大の特徴は、紫外線による劣化が発生しないことです。有機塗料は紫外線による劣化が耐久性を下げる大きな要因ですが、無機塗料は紫外線による影響がないので、理論上は半永久的に耐久性が維持されます。

実際の無機塗料は塗りやすさを考慮して有機塗料の成分が混合されているため半永久的とは行きませんが、有機塗料と比べて圧倒的に優れた耐久性が期待できます。優れた耐久性が期待できる無機塗料ですが、扱いが難しいのがデメリットです。無機塗料を均一の厚みで塗るのは非常に難しく、誰でも簡単に塗装できるアクリル塗料と比べて塗装技術は人を選びます。価格も非常に高価で、アクリル塗装の約5倍程度のコストがかかります。

アクリル塗料の耐用年数

アクリル塗料の耐用年数は外壁塗装で5〜8年が目安です。風雨や寒暖差の影響がない内部塗装だと、耐用年数は10〜15年と約2倍に伸びます。耐用年数を延ばすには、こまめなメンテナンスが重要です。劣化が進む前であれば重ね塗りが簡単にできるので、早めに塗り直しすれば長く美しい塗装面を維持できます。

アクリル塗料の代表的な製品

扱いが容易なアクリル塗料ですが、各塗料メーカーからたくさんの製品が発売されています。業務用のプロ向けからDIY用の一般向けまで、用途に合わせた製品を選びましょう。

日本ペイントのアクリル塗料製品

「ニッペアクリル」はその名の通り日本ペイントを代表するアクリル塗料のひとつです。優れた光沢性により、艶のある美しい塗膜を実現できることが特徴です。高い定着性があり、自動車、建築外壁、作業機械などさまざまな用途に用いられるオールラウンダーな塗料です。

関西ペイントのアクリル塗料製品

関西ペイントを代表するアクリル塗料が「コスモアクリル」です。高光沢で美しくしあがる塗面が魅力のコスモアクリルは、環境に配慮した新時代の高仕上水性アクリル樹脂塗料として広く使われています。湿気のみを通し、水は通さない優れた透湿性により、建物の呼吸性能を維持します。

エスケー化研のアクリル塗料製品

「水性コンポアクリル」はエスケー化研が販売する内外装用アクリル塗料です。緻密な塗膜表面は防汚性に優れちりや汚れを寄せつけず、長く美しい表面を保てます。混合不良がない1液型なので取り扱いやすく、優れた隠蔽性によりムラなく仕上がります。また特殊設計により、微生物に対する強い抵抗性を実現させています。カビや藻類を寄せ付けず、常に清潔で衛生的な状態を維持できます。

その他メーカーのアクリル塗料製品

大日本塗料の「ビルデック」は業務用で使われる防カビ性に優れたアクリル塗料です。耐ブリード性にも優れ、タバコのヤニによる汚れやシミの発生を防ぎます。その他、ロックペイントの「水性建物用」はDIY向けとして人気のアクリル塗料です。ほぼ無臭で室内環境に優しく手軽に美しく塗れるバランスの良さが特徴のロングセラー塗料です。その他にも各塗料メーカーから用途、用法別にさまざまなアクリル塗料が販売されています。

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