軒天とは?塗装をする目的や塗装方法、タイミングについて解説!
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今回の記事では軒天についての概要に加え、メンテナンスや塗装方法、費用についても解説していきます。

外壁塗装や住宅の購入を検討している方は、「軒天」という単語に聞き覚えがある人も少なくないでしょう。具体的に「軒天」がどこを指しているのかを説明できる人は少数ではないでしょうか。

【塗装前に確認】軒天とは?

まずは軒天とはそもそもどの部分を指しているのか?軒天の概要についてご紹介します。

軒天とは、簡単にいうと「屋根の裏の天井」のことを指します。より正確にいうのであれば、屋根の裏全体を軒天の範囲ではなく、建造物の外壁を基準として外に突き出てている部分のことを「軒(のき)」、そしてその天井のことを「軒天(のきてん)」と呼びます。

  • 軒:外壁から外に突き出ている部分のこと
  • 軒天:軒の天井部分のこと

【塗装前に確認】軒天の役割

軒天はただ建造物から突き出ているだけではなく、いくつかの重要な役割を担っている部分でもあるので、その役割についてご紹介します。

軒天の3つの役割

軒天には大きく分類して3つの重要な役割があります。

外観を整える役割

軒天は建造物の外観を整える役割を持っています。

もちろん中には軒天のないものもありますが、そうした建造物は屋根を見上げた際に内部構造が露呈してしまっていることがほとんどで、人によっては「みすぼらしい」と感じることもあるかもしれません。

また、剥き出しになっていると屋根の腐食を早めてしまう可能性も高く、軒天はそのようなリスクから守ってくれる効果もあります。

火事の際の延焼を防ぐ

軒天は火事による延焼を防ぐ役割も持っています。

一般的に火事が発生した場合、火の手は火事の発生源から瞬時に上へ延焼していきます。仮に軒天がなければ屋根裏まで一気に燃えてしまいますが、軒天を備えている建造物であれば一定時間は耐火することができるでしょう。

外壁の保護

軒天は外壁から突き出ているので、雨風による直接的な外壁へのダメージを防ぐこともでます。

ただしこれは軒天がきちんと屋根の裏部分を守っている場合の話ですので、下地材が剥き出しになっていたり、塗装が剥がれていると効果は半減してしまいうため注意が必要です。

なお軒天に屋根裏の換気口を取り付けるころで、屋根の通気性が格段によくなるので、湿気を外部に追い出したいという方には特におすすめです。

【塗装前に確認】軒天の材質

軒天に使用される材質の中には、いくつかの種類があります。どの材質を軒天に使用するかによって建造物に与えるメリットが変化するので、それぞれの特徴を抑えておきましょう。

軒天の材質3つ

軒天には、主に以下の3つの材質が使用されています。

ベニア合板

ベニア合板はご紹介する材質の中で最も材料費が安いため、工事費を安くしたいと考える人にとっては最適な材質です。

ベニア合板はベニア板と呼ばれる丸太を薄くむいたものを重ねたもののことで、それに化粧合板(木目がプリントされたもの)が施されているものが主流です。

ケイカル板

ケイカル板は水酸化カルシウムや珪藻土といったものを練り合わせ、硬化することによって作られる材質です。一昔前まではアスベストを含んだものが流通していたようですが、安全上の理由から現在では使用が禁止されています。

ケイカル板は軽量・耐火・防水といったあらゆる面で優れているため、今最も軒天に使用されている材質です。加えてデザイン性にも富んでいるため、新築住宅を建てる時などは住宅に適したものを選択できるのもメリットです。

エクセルボード

エクセルボード(石膏ボード)は、法定不燃材として認定されている材質です。石膏、スラグといった材質を固めて製造されています。

法定不燃材と呼ばれるだけあって耐火性には優れていますが、その反面、防水性や価格でケイカル板にやや劣っている面もあります。

軒天の塗装の方法やタイミングとは?

本記事ではこれまで軒天の持つ役割や材質について解説してきました。住宅に限らず建造物は建てたら一生そのまま使用できるとは限りません。

外壁には異常がなくとも軒天の劣化が進むことで腐食や雨漏りを代表として、さまざまな弊害が発生することも考えられます。ここでは塗装方法やそのタイミングについて解説していきます。

塗装方法

まず前提として、軒天を塗装することを考えるのであればプロの施工業者に依頼するのが確実で安全です。素人がDIYで軽く軒天をメンテナンスしただけでは、思わぬ弊害を生んでしまう可能性もあります。

軒天の塗装方法は以下の通りです。

  1. 下地処理:不具合が生じている部分を研磨紙等で取り除く。
  2. 掃除:刷毛や雑巾で軒天を掃除する。
  3. 錆止め:軒天を固定している釘や鉄に錆止めをする。
  4. 下塗り:下塗りとしてシーラーを塗る。
  5. 上塗り:下塗りを十分に済ませてから上塗りをする(2回)。

特に、軒天を掃除する際に面倒だからという理由で高圧洗浄機やホースを使用するケースもあるようですが、軒天には通気を目的として換気口等が備えられていることもあります。そうした部分から水分が侵入してしまうと、様々な二次災害を招いてしまうことも考えられるので注意しましょう。

塗装のタイミング

軒天には定期的なメンテナンスが必要ということを理解していても、どの程度の劣化で再塗装するべきなのでしょうか?対応の緊急性に併せて、そのタイミングをご紹介します。

色あせ

軒天は紫外線を直接受けることは少ないものの、経年によってどうしても色が褪せてきたり、汚れが付着してしまったりすることもあります。

見た目を気にしないという方にとっては緊急性はそれほどありませんが、色あせ等が見受けられたタイミングで再塗装や掃除をすることによって、軒天を常に良好な状態で保てるでしょう。

剥がれ・穴

ベニヤ合板に散見されるのが剥がれです。化粧合板をしているため、経年劣化によりプリント部分が剥がれてきてしまうことがあります。

また、剥がれが発生することにより雨漏りや穴が開いてしまうことも考えられるため、こうした部分が軒天に散見されたら、塗りだけでなく他の方法を模索して対処する必要があります。

シミ・カビ

シミやカビは一見すると色あせ同様にそこまで重大な問題でないように感じられますが、シミは雨漏りが原因であること、カビは浸水や雨漏りによって発生していることが多いです。シミやカビを発見したら、できるだけ早めに対処する方がよいでしょう。

軒天の塗装費用は?

施工業者に軒天の塗装を依頼した場合は、およそどれくらいの費用がかかってくるものなのでしょうか?

地方や業者によって費用は変わりますが、軒天を塗り直しする費用の目安としては15~20万円程度とするケースが多いようです。新築で軒天を新しく塗る場合は下地処理を入念にしなければならないので、上記の価格に加えて+αの設定がなされることもあるようです。

なおDIYで軒天の塗装行う場合はより低価格で施工することもできます。

まとめ

今回は軒天についてご紹介しました。軒天は建造物にとって重要な役割を果たしている部分なので、今回の記事を読み、正しい役割や材質、メンテナンスや塗る場合の費用について学んでいただけたら幸いです。

仮に軒天に不具合を発見した場合には自分で判断せずに、まずは業者に見てもらうように手配するとよいでしょう。

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