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黒板塗料とは
黒板塗料とはその名の通り、木材や金属の板に塗装をするだけで、まるで黒板のようにチョークで文字や絵が書けるようになる塗料の事を指します。別名「チョークボードペイント」とも呼ばれています。
好きなサイズや形で切った木の板に刷毛などで特定の塗料を塗るだけで黒板のような表面になる塗料なので、たとえば自宅の中で家族へのメモ書きをするボードを自作する際などに使えます。黒板塗料は、木材から金属まで幅広い素材に塗装することができるので様々な用途で使えるのも特徴の一つです。
また、商品によってはマグネットが付けられる機能を持つ黒板塗料もラインナップされています。塗料の単価も100円均一で手に入るものから、自宅の室内で塗装する際に安心なオーガニックタイプのものまで数多くの種類があり、目的に応じた塗料の選択ができます。
黒板塗料の特徴
どうして黒板にはチョークで字が書ける?
そもそも、黒板にはどうしてチョークで字が書けるのでしょうか。
その答えは、黒板の表面にあります。
例えば皆さんが良く目にする学校の黒板も表面は一見ツルツルの面になっているとように見えますが、表面を拡大して良く見てみるとザラザラになっている事がわかります。このわざとザラザラとさせることによって、チョークの表面を削り、黒板の表面に字やイラストが書けるようになっているのです。
黒板塗料の中には通常の塗料とは異なり、塗装面をわざとザラザラさせるために研磨剤に似た粉末が入っています。
この研磨剤に似た粉末が混ざった塗料を黒板にしたい対象の表面に塗ると、塗料が硬化して硬い塗装面を作るのと同時に塗料の中に混ざっている粒が塗装表面にザラザラを形成し、チョークを削る効果を持たせることができるのです。
黒板塗料の用途
黒板塗料は表面に塗るだけで黒板のように字が書ける使い勝手の良さから、さまざまな場所で使うことができます。今回はその例を3つほどご紹介します。
自宅に置いてある様々な物をアレンジ
自宅にあるカラーボックスを黒板塗料で塗装することで、チョークで中に何が入っているかを書いておくことができます。
ただテープにマジックで字を書いてしまうよりもオシャレに見える事からお勧めのアレンジです。また、書いたものが消しやすいというチョークと黒板の組み合わせにより中身を入れ替えた際にもサッと消して書き直しが出来るのでオススメです。
壁一面を黒板塗料で塗装して大きなお絵かきエリアに
黒板塗料のメリットはただ塗るだけで広い面積を黒板に変えてしまえる事です。
おうちの何も掛けていない壁一面に黒板塗料を塗る事でお子さんの大きな落書きエリアにしたり、季節ごとの絵を描くことでインテリアの一部として活用することができます。
店舗内や自宅内のメッセージボードを作成
黒板塗料とはその名の通り黒板が簡単に作れる塗料なので、カフェやレストランで季節ごとのメニューを壁に書く為に多く使われています。店舗ごとにメニューボードのサイズやデザインが異なりますが、黒板塗料であれば好みのサイズ・デザインの板に塗装ができますので、手軽にボートの作成が出来ます。
これを自宅内でも有効活用して、オシャレな形のまな板に黒板塗料を塗って家族のメッセージボードとして使うことも出来ます。
黒板塗料のカラーバリエーション
「黒板」と聞くと、まずイメージするのは学校でみた深緑のようなカラーをイメージされる方も多いと思いますが、最近では黒板塗料には様々なカラーバリエーションが販売されており、学校の黒板で良く見た深緑の様な色以外にも沢山の色の中から好みに合わせて選ぶことが出来ます。
ここでは、沢山ある色の中から一例をご紹介いたします。
- ワインレッド
- ピンク
- グリーン
- ミントカラー
- オレンジ
- ブラウン
- グレー
- ネイビー
- ブラック
このように、各メーカーから沢山の色の黒板塗料が販売されているのでインテリアのカラーや店舗の内装イメージに柔軟に合わせた色選びが可能です。
黒板塗料の選び方
手軽に黒板のような塗装面が得られる黒板塗料ですが、市販されているものには沢山の種類があるため、選ぶ際に何を基準に選べばいいのか悩んでしまう場合もあるかとおもいます。そこで、黒板塗料をどのように選ぶのが良いか、選び方についてご紹介いたします。
塗装方法で選ぶ
黒板塗料を選ぶ基準の一つに、「塗装方法」があります。
黒板塗料には、黒板のような塗装面にするために、大きく分けて二つの塗り方があります。1つ目は液体の塗料を刷毛やローラーで塗る方法、そして2つ目はスプレーで塗る方法です。
製品の種類にもよりますが、液体での塗装は下地との塗料の密着性も高く、コストも安価に済ませられることが特徴です。一方、スプレーでの塗装はより手軽に塗りたい方におすすめです。
注意点として、スプレーでの塗装を行う場合には、広い範囲に塗料が飛びますので周囲の養生をしっかりとする必要があります。また、塗料での塗装に比べると塗装の密着性が低くなりがちになります。
小さく形がいびつなものにはスプレー塗装、平面に塗るのであれば液体塗料を使うなど、ご自身の用途に応じて上手に使い分けましょう。
塗料の成分で選ぶ
塗料には、人体に悪影響のあるものを含むさまざまな種類の成分が含まれています。特に黒板塗料に関しては室内で使われることが多く想定されるので、シックハウス症候群が気になる方などは人体に無害なオーガニックな成分が使われているものを選択すると良いでしょう。
商品の中には口に入れても無害な成分を使用しているものもあるので、小さなお子さまがいる家庭での使用はぜひ検討してみましょう。
黒板塗料を塗るなら水性?油性?
黒板塗料には、水性と油性の2種類があります。この2種類の塗料のメリット・デメリットをご説明いたします。
油性の黒板塗料のメリット・デメリット
メリット
油性の黒板塗料のメリットは耐久性が高いことや、水性と比べた場合にチョークがふき取りやすい点が挙げられます。塗料を塗った際に作られる塗装面の強度が水性と比べると高い傾向にあり、またチョークで書いたものが水性と比べるとふき取りやすい傾向があります。屋外で使用する場合やチョークで書いたものを何度も書いたり消したりする用途には油性がオススメです。
デメリット
油性の黒板塗料のデメリットとしては、塗料の成分を薄める溶媒という成分のニオイがきついことや塗装に使用した刷毛やローラーをシンナーで掃除しなければならないため、初心者の方には少し使いづらい部分が有る
水性の黒板塗料のメリット・デメリット
メリット
水性の黒板塗料は塗料の成分を薄めるのに水が使用できる点が大きなメリットです。
また塗料自体の臭いも油性と比べると少ないことから、室内で塗装をする際には水性の黒板塗料は特におすすめです。また、塗料が完全に乾けば水で溶ける心配もありません。
デメリット
水性の黒板塗料のデメリットとしては、長期間使用する際に塗料が油性と比べると剥がれ易くチョークで書いたものも消しづらいです。
屋内で使用する家具への塗装やチョークを使わないペイント目的での使用に向いている塗料です。
黒板塗料を塗るのに必要なもの
黒板塗料を塗るためには、塗料以外に次のような用具が必要となります。
塗装をする物の下地作り用の用具
黒板塗料で塗装をする場合に、塗る対象の物に塗装が付き易くするための下地作りをする必要があります。表面のざらつきを均一にしたり、つるつるの表面に塗料が付き易くする僅かなザラツキを作るためのサンドペーパーが必要です。
また、サンドペーパーでこすった後の掃除用途して柔らかい刷毛があると良いです。
塗料を塗装面に塗るための用具
缶に入っている液体の塗料を塗装面に塗るために刷毛などの用具が必要です。
主には次の2つの用具が必要となります。それぞれの特徴もあわせて記載します。
- 刷毛:塗装の密着度が高く出来るが、刷毛の目が塗装面に出やすく難易度が高い
- ローラー:刷毛よりも塗装の密着度は劣るものの、綺麗な塗装面が作りやすい
その他塗料によって必要になる用具
油性塗料であれば、塗料を薄めるための薄め液(シンナー)が必要になります。
黒板塗料の塗り方
黒板塗料の塗り方の工程は、前述の用具を使って下記の工程で塗っていきます。
塗装する対象物の下地作り
塗装する対象物によって塗料が付きやすいように、まずは下地作りをする必要があります。
例えば木材の場合、表面の凹凸をならすためにサンドペーパーでこすってから刷毛などで綺麗にしておかないと、塗料を塗った際に凹凸が目立ってしまったり塗料の下に木の削りカスが入ってしまい、塗料が剥がれやすくなってしまいます。
また木材とは逆に、表面がつるつるな金属の場合では表面に凹凸が無さ過ぎて塗料が付きづらかったり、すぐに剥がれてしまう可能性があります。金属面に塗料を塗る際にも木材と同様にサンドペーパーで表面をこすりましょう。
塗装する対象物の、塗料が付いて欲しくない所をマスキングする
塗装の際に大切なのが、例えば屋内の床など、塗料が付いて欲しくないところにマスキングをすることです。
四角い板に塗装する場合でも木の枠を取り付ける所にはマスキングテープで塗料が付かないようにしたり、塗装作業をする周りに塗料が付かないように新聞紙で養生(=保護)するなど、準備をしてから塗装していきましょう。
塗料の塗り方について
塗装の準備ができたら塗装したい物に塗料を塗っていきますが、注意点がいくつかあります。
まず、塗料が塗りやすいように油性塗料は薄め液・水性塗料は水で塗料の粘度を調整しましょう。粘り気が強すぎる塗料で塗ってしまうと、ムラの原因となります。
また、塗装は1回塗っただけで仕上げるのではなく、何回か重ね塗りをして仕上げるようにしましょう。その際には1度目に塗った塗料が乾くまで待ってから2回目を塗ってください。こうする事で、完成した際の塗装のムラができにくくなります。
黒板塗料を塗る上での注意点
絶対に一回の塗り作業で完成させようとしない
初めて塗装をする方に多いのが、色が付けばよいと考えていること、もしくは塗料が乾いていないのに何回も塗って1回で完成させようとしてしまうことです。
商品によって多少異なりますが、基本的に塗装の回数は2~3回であることが多いです。その回数にそって1回塗ったら乾かしてからもう1度塗っていく様にしましょう。
重ね塗りを行わないと、塗りムラが出来たり、液が垂れて表面がデコボコになってしまうなど仕上がりが綺麗にならない原因となります。
完全に乾燥していないのにチョークで書かない
塗料には、完全乾燥するまでの時間が定められています。
購入した塗料の説明文をよく読んで、完全乾燥するまでの時間を十分においてからチョークで書くようにしましょう。
室内で塗料を使用する際には換気を良くして作業する
特に油性塗料についてですが、油性塗料を薄めている溶媒のニオイ等で気分を悪くする場合があります。塗料を使う時には、必ず換気の良い場所で作業をしてください。屋内で作業を行う場合には、必ず窓を開けて作業をするようにしましょう。
塗料を使う前には、良く塗料を混ぜてから使う
塗料を買ってきて使う直前に、必ず塗料をかき混ぜてから使用する様にしましょう。塗料の成分が良く混ざっていないと、仕上がりが綺麗にならない可能性がありますので注意してください。
黒板塗料のまとめ
今回は黒板塗料についてご紹介してみました。
とても手軽に身の回りの物を黒板に変えてしまう黒板塗料は今ある家具をアレンジしたり100円均一に売っているインテリア小物をアレンジしておしゃれにするのに便利なアイテムです。
また、店舗内のイメージを一新するのに壁一面を黒板にしてチョークでアートを書いたりもでき、幅広い用途で使用できます。
他の色を変えるのみの塗料とは異なる特徴がある、黒板塗料を身の回りのものに活用してみてはいかがでしょうか。