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↑詳細は画像をクリック↑フッ素塗料とは
住宅の外壁に用いられる塗料には、「アクリル塗料」「シリコン塗料」など複数の種類がありますが、その中でも性能が高く高級品に分類されるのが「フッ素塗料」です。従来はレインボーブリッジのような大型建造物の外壁に採用されていましたが、近年は一般住宅にも用いられるケースが増えてきたため注目度が増しています。
フッ素塗料の特徴
フッ素塗料は従来のものより高額ですが建物の保全に役立つ様々な特性を豊富に持っています。この項目ではフッ素塗料が持つ注目すべき特徴について解説します。従来の塗料に比べて何が違うのかを確認してください。
耐久性に優れている
フッ素塗料は既存の塗料に比べて耐久性が1.5倍～2倍ほど向上しています。ウレタン系塗料の耐久年数が5年～8年なのに対して、フッ素塗料は15年～20年もの長期に渡って風雨から建物を守ります。
また、外壁に隙間なく塗れるため塗装が部分的に剥がれ落ちにくく、高い保護機能を保てます。
紫外線や雨風のダメージを受けにくい
フッ素塗料は他の塗料に比べて紫外線や雨風によるダメージを受けにくい特徴があります。
一般的に塗膜は酸性雨や大きな温度変化、紫外線によってダメージを受けます。この3つのダメージ要因のうち最も影響力が強いのが紫外線です。
ウレタンやシリコン塗料は遮熱や耐熱性能は悪くありませんが強い紫外線を受けると劣化が進みます。フッ素樹脂は結合エネルギーが高いため紫外線の影響を受けにくく劣化スピードが緩やかです。
汚れが付いても雨の水で自然に落とせる
フッ素塗料は水と結びつく力が強いため塗膜表面に汚れが付着しても水分が塗膜と汚れの間に割り込み、汚れが塗膜から剥がし落とします。
軽い汚れなら掃除をしなくても雨が降るだけでキレイになります。掃除をする負担が軽くなるでしょう。
カビや藻が生えにくい
フッ素塗料はカビや藻に対して強い耐性があります。日の当たらない洗面台付近の外壁は湿気がこもりやすくカビや藻が生えやすい傾向がありますが、そんな環境でもフッ素塗料で塗膜を作れば従来よりもカビや藻を抑えることが可能です。
カビや藻が発生した場合でも水で流し落とせるためメンテナンスに大きな負担はかかりません。
長期間光沢を守る
フッ素塗料は耐摩耗性が高く風雨にさらされたり、掃除を繰り返しても塗膜表面の劣化が起きにくいです。よく利用されるシリコン塗料は摩耗により10年で20%ほど光沢を失うのに対して、フッ素塗料は10%の減少で済みます。
建物の美観を維持するにはフッ素塗料の方が有利です。
酸性雨にも強い
フッ素塗料は分子間の結合力が強いため酸性雨のような化学的作用を受けにくい特性を持っています。
アクリル塗料は安価で使いやすいメリットがありますが酸性雨に弱いため塗膜が剥がれたり、美観の低下を招きやすい欠点がありました。フッ素塗料なら酸性雨が降りやすい地域でも外壁の色合いを保てます。
フッ素塗料のメリット
フッ素塗料には外壁や屋根の塗料として優れた特徴を豊富に持っています。この項目ではフッ素塗料の特徴を活かして得られるメリットにどのようなものがあるのか解説していきます。ご自身の目的に合ったメリットを探してみてください。
メンテナンスの回数を減らすことができる
フッ素塗料は従来の塗料に比べて紫外線や雨風に対する耐性が高いため長期に渡って外壁を保護できます。外壁を塗り直す間隔が長くなるためメンテナンスを行う回数を減らせます。
また、外壁の塗装をやり直すには足場を組む必要があるため修繕工事にかかる費用は高額になります。外壁の塗料にフッ素塗料を用いることで修繕回数を減らせば修繕費用の削減が可能です。
耐久年数が長い
耐久性の高いフッ素塗料はメンテナンスなしで15年～20年ほど外壁を保護できると言われています。家屋の外壁用塗料として主流となっているシリコン塗料の耐久年数が10年～15年であるため、フッ素塗料の方が5年～10年ほど長持ちします。
外壁としっかり密着するため隙間ができにくく部分的に劣化し汚れる心配もありません。
光沢感が美しいまま長年保つことができる
フッ素塗料は耐候形にすぐれるため風雨や埃などによって塗膜を浸食されにくくなっています。とくに紫外線への耐性レベルは高く、JIS規格の定める耐候形1種に分類されています。そのため紫外線による塗膜の変質が少なく、塗膜表面が傷みにくいため綺麗な外壁を維持できます。
汚れが落ちやすい外壁になる
外壁にフッ素塗料を使うと簡単な水洗いで汚れを落とせます。これはフッ素塗料が持つ高い親水性のおかげです。元々、フッ素塗料は汚れを弾きやすい性質があるのに加えて水と結合しやすいため、水が汚れを押しのけて塗膜表面と結び付きます。その結果、雨に当たっただけで綺麗になるほど汚れが落ちやすくなります。
フッ素塗料のデメリット
外壁を美しく維持するのに既存塗料より有効なフッ素塗料ですが、いくつか注意すべきデメリットがあります。正しく活用できるよう考慮すべきデメリットを確認してください。事前に知っていれば対策も立てやすいです。
コストが高い
フッ素塗料は数ある建築塗料の中で最も高価です。主な塗料を価格の高い順番に並べた一覧表を紹介しましょう。料金は全て1立方メートルあたりのものです。
・フッ素塗料 4,000円～4,500円
・シリコン塗料 2,500円～3,200円
・ウレタン塗料 1,800円～2,200円
・アクリル塗料 1,500円～1,800円
もっとも安価なフッ素塗料とは最大で3倍もの価格差があります。家屋のサイズによっては費用が非常に高額になる可能性があるでしょう。
職人の腕がないとフッ素塗料の本領発揮ができない
フッ素塗料を正しく塗るには高い技術と経験、知識が必要です。外壁と強く密着するといっても外壁の性質に合った下地処理をしないと下地と一緒に剥がれてしまう恐れもあります。
フッ素塗料が本来もつ性能を十分に発揮させるにはフッ素塗料の施工実績がある業者を選んでください。
一般家庭で使用した例が少ない
一般家庭の外壁にフッ素塗料が使われ始めたのは最近のことですから、施工事例はそれほど多くありません。業者の多くはこれまで住宅で用いられてきた塗料を利用するため、フッ素塗料のノウハウを持つ業者は限られています。そのためフッ素塗料を活用したい場合は業者探しに苦労する可能性があります。地方では、その傾向がとくに強いでしょう。
質の悪いフッ素塗料もある
フッ素塗料は高価なため品質管理には細心の注意を払って管理されるのが一般的ですが、なかには杜撰な管理で販売している業者もあります。よくある悪質な例はフッ素樹脂の配合割合を意図的に減らすことです。
フッ素塗料はデリケートですからフッ素樹脂の配合量が減ると耐久年数が大きく落ちます。用いるフッ素塗料のなかで耐久年数のバラツキがあると外壁の一部だけ早く劣化するなどのトラブルが起きます。
フッ素塗料がおすすめなのはこんな人
フッ素塗料は既存の塗料よりも長く外壁や屋根を美しく保てるため、お金に余裕があれば是非とも選びたい塗料です。しかし誰にでも必要なものではありません。そこでこの項目ではフッ素塗料がおすすめな人のタイプを解説します。
高級感を出した家に住みたい人
フッ素塗料で塗ると外壁や屋根に品のある光沢が出ます。より光沢感が出る塗料はありますが、露骨なテカリがあり、かえって安っぽさが強調されます。
自慢の我が家に1ランク上の高級感を持たせるならフッ素塗料がおすすめです。埃汚れ程度なら簡単に落ちるため、雨上がりの自宅の輝きに息を飲むことでしょう。
初期費用が高くても維持費が安ければOKな人
フッ素塗料を用いると、住宅用の塗料として広く利用されているシリコン塗料に比べて1.3倍～1.8倍の初期費用がかかります。フッ素塗料を扱う業者が近くにいない場合は、さらに費用がかさむでしょう。
しかし、耐久性が1.5倍ほどあるため30年以上自宅に住み続ける場合、住宅の維持費は安くなります。自宅に長く住むほどトータルコストはフッ素塗料の方がお得です。
広い家に住んでいる人
自宅の建築面積が広い場合、外壁や屋根のメンテナンスが大きな負担になります。場合によっては家族だけでは対処しきれないケースも考えられます。
フッ素塗料で外壁や屋根をコーティングした場合は塗料と外壁が密着し、劣化しにくい塗膜を形成するため汚れが付着しにくい環境を構築できます。住宅の掃除にかかる負担は大幅に軽くなります。
フッ素塗料を塗るのにおすすめな場所
フッ素塗料は高額ですから場合によっては住宅の一部だけ利用したいケースもあります。そこでこの項目ではフッ素塗料を塗るのがおすすめな場所を紹介します。フッ素塗料の効果を最大限に引き出して自宅を美しく見せるポイントを把握してください。
屋根
屋根は住宅の中で最も劣化の進む場所です。太陽からの紫外線が直撃しますし、雨や風にさらされるため力学的な影響も強く受けます。
耐久性の高いフッ素塗料こそ、この過酷な環境に最適です。耐候性も高いため風雨や夏の紫外線にも対処できます。
雨樋・破風板・幕板・軒天
雨樋・破風板・幕板・軒天は雨風にさらされ傷みやすい場所です。とくに雨樋は材質によっては紫外線で硬化し変形を起こすなどトラブルの多い場所といえます。フッ素塗料はこういったダメージを受けやすい場所を補強するのに最適です。施工費用は高くなりますが、雨樋などはフッ素塗料を二度塗りすることで劣化をある程度抑えることができます。
家の屋外の劣化しやすい部分
雨樋や破風板の他にも住宅には劣化しやすい場所がいくつかあります。傷みやすいことが意外としられていない場所といえばベランダです。日の光が1日中入ってくる場所に設置されるため紫外線の影響を長時間受け、ダメージがたまりやすくなっています。外からは見えにくい場所ですが、住んでいれば普段から目にする場所ですからフッ素塗料で保護することをおすすめします。
