塗料の「硬化剤」とは?混ぜ方や成分や役割について解説!
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Tyan
こんにちは!Tyanです。

塗料の硬化剤とは?

塗料の硬化剤とは、塗料単独では塗装できないタイプの塗料(2液性塗料)に用いる薬剤です。2液性塗料に必須の薬剤である硬化剤には、次の2つの役割があります。

  1. 塗料の強度を高める
  2. 塗料が固まるのを早める

しかし、一度この硬化剤を加えてしまうと、翌日には塗料が固まってしまい、以降その塗料は使用できなくなってしまいます。そのため硬化剤は「その時に使う分だけ用意する」ということが重要となります。

塗料の硬化剤の成分

塗料の硬化剤には、樹脂と反応して塗装した表面部分を硬くする成分が含まれています。その主成分が「イソシアネート」と呼ばれる化学物質であり、ポリウレタンなどの成分としても用いられています。

イソシアネートは非常に反応性が高い成分であるため、湿気などを避けて冷所保存するなど、扱い方に注意をする必要があります。また単独では、扱いを間違えると手や指などの皮膚や喉、時に肺などの呼吸器に炎症を起こしてしまう物質でもあるので、扱いには注意が必要です。

塗料における硬化剤の役割

塗料の硬化剤には、次のような役割があります。

  1. 塗料に加えて硬化を促進させる
  2. 塗料硬化させるきっかけを作る

また「1液性塗料」という塗料単体で硬化する塗料の場合には硬化剤は不要ですが、2液性の塗料にとっては必須であるため、塗装時には必ず用意しなければいけません。ここでは、今紹介した

  1. 硬化を早める
  2. 強度が向上する
  3. 2液性塗料とワンセットで利用する

この3つの役割についてご紹介します。

塗料の硬化を早める

塗料の硬化剤は、文字通り塗料の硬化を早める作用があります。その硬化を早める作用により、

  1. 重ね塗りを行う場合
  2. 速やかに乾燥させたい天候の場合(曇天など)

このような場合でも効果を発揮することができます。ただ、冒頭でもお話しした通り、硬化剤を使用すると硬化が早まるので、塗料と混ぜて一日放置しただけでも完全に硬化し塗料が使用不能になります。そのため、その日に使う必要な分だけ調合することが重要です。

塗料の強度を上げる

硬化剤は、塗料の硬化を早めるだけでなく、強度の向上も期待できます。もともと主成分であるイソシアネートは、強度が必要な素材にも使用される成分であり、強度を高める作用を持つ成分が含まれています。

この作用があることにより、塗料の剥離や劣化、ひび割れなど塗料の弱化を抑える効果があります。このように、硬化剤を使用することで塗料の強度を高め、塗装の寿命を長くすることが期待できます。

塗料の硬化剤には、2液性塗料としてワンセットで利用する

塗料の硬化剤は、「2液性塗料」としてワンセットで利用するという役割もあります。2液性塗料は、塗料が主剤と硬化剤の2つで構成されており、主剤の塗料だけでは乾燥する能力がないため、硬化剤で硬化させる仕組みの塗料です。

2液性塗料を使用する際には、主剤を塗装の容器に移し、硬化剤を少しずつ追加した上で塗装を行います。2液性塗料には「混ぜる」という手間はかかるというデメリットがありますが、硬化剤を混ぜないことで塗料の劣化を抑えることができ、事業所などで長期保管することができます。

塗料に入れる硬化剤の分量・配合比率

主剤(塗料)と硬化剤を撹拌する際は決められた比率で量り(はかり)を用いて混ぜます。この比率は主剤のパッケージ裏面やカタログに記載があり、「主剤:硬化剤=1:1(重量比)」などと記載の確認ができます。

あくまで重さによって分量や配合比率を決める必要があり、同じ容器を使って量を図るのではなく、量りを使って分量や配合比率を決めることが重要です。主剤と硬化剤の混合比率は製品ごとに異なるので、使用する場合には製品の配合比率をしっかりと確認し、正しい比率で撹拌するようにしましょう。

注意点として、塗料(主剤)と硬化剤を撹拌した後は利用できる時間は限られているので、必要な分だけ配合を決めて行う必要があります。

塗料に硬化剤とシンナーを入れるときの割合

塗料に硬化剤とシンナーを入れる時の割合は、主剤(塗料)および硬化剤を混ぜた上でシンナーの量を決定します。この二つの薬剤を混ぜて初めて一つの塗料として計量でき、

塗料:シンナー=100:40~60となっている場合は、(主剤+硬化剤):シンナーで考えます。

例えば、主剤:硬化剤=1:1の製品の場合は、文頭の製品の割合で考えると、主剤:硬化剤:シンナー=50:50:40~60です。同じ製品あってもカラーによってシンナーの割合が異なる場合があるので、カタログやパッケージ、あるいは製品ページなどで事前によく確認をしましょう。

塗料と硬化剤の基本的な混ぜ方

塗料と硬化剤の混ぜ方としては、以下の流れで行うことが基本となります。

  1. 必要な塗料の量の設定
  2. 比率の計量
  3. 撹拌

冒頭でお話しした通り、必要な量は重要であり、比率の計算はパッケージやカタログを参照します。撹拌は塗料が固まる前に手早く行い、硬化が始まる前に塗り始めることがポイントです。ここでは、これらの3ステップについて、各項目ごとに詳しくご紹介します。

作りたい塗料の量を設定

塗料を撹拌する際には、はじめに作りたい塗料の量を決めます。主剤と硬化剤が分かれている2液性の塗料は、作り過ぎて翌日に使おうとすると、翌日には硬化してしまい、使用できなくなってしまいます。

その硬化しやすい特性のため、その日1日で使う量をきちんと決めておき、その分量に従って作りたい分の塗料を設定しましょう。この設定した量を元に塗料の比率や撹拌を行うことから必要量の設定は塗装を行う上で重要なステップです。

塗料と硬化剤の比率によって計量

塗料と硬化剤の比率によって計量を行います。この比率は基本的な数字はなく、製品ごとに異なった数値になります。製品によって異なる比率ということを理解して、塗料の材料を用意する際に必要な分量の塗料(主剤)や硬化剤を用意することが重要です。

計量は量りを利用して計測するため、材料以外にも、それらの重量を計測できる量りも用意しましょう。この比率に合わせて次のステップである撹拌に移りますが、計量がうまく行っていないと撹拌がスムーズにいかないため、あらかじめきちんと計量するよう注意が必要です。

塗料と硬化剤の撹拌(かくはん)

塗料(主剤)と硬化剤を計量し、用意を行なったら撹拌をしていきます。硬化剤を加える前に事前によく塗料を撹拌しておき、その撹拌された塗料に対して計量した硬化剤を少しずつ加えていきます。

そして、2液が十分に混ざりあうようにスピーディーかつ十分に撹拌を行いましょう。この撹拌が不十分だと、塗装前に硬化してしまうこともあるため、混ざり合うようにしっかりと撹拌をしましょう。

塗料と硬化剤の分量が誤っている場合

ここまで塗料と硬化剤についてまとめてきました。では、塗料と硬化剤の分量が誤ってしまっていた場合はどうなるのでしょうか?結論を言えば、塗料として利用できず、塗装不能や塗装不良になります。

ここでは硬化剤を入れすぎた場合や、反対に少なすぎた場合についてお話ししていき、まとめました。塗料として利用できないとはどういった意味なのか、その点についても紹介していきます。まずは、硬化剤を入れ過ぎた場合についてお話ししていきましょう。

硬化剤を入れすぎた場合

硬化剤を加えた量が多すぎると硬化材の枝が余り、「タック」と呼ばれるベタつきが残ります。硬化剤の枝とは、塗料(主剤)と顕微鏡レベルで結合する部分のことを言います。

この枝がちょうどお互いにつながりあって、余ることがなければ2液性の塗料としての効果を発揮する仕組みです。しかし、硬化剤側の枝が余ってしまうと、硬化する作用が余計に起こってしまい、塗装後も硬化剤のべたつきが残ってしまうという現象が起きます。

こうなると汚れがついたり、かえって劣化の原因になるなど、塗料としても使い物にならず、塗装も失敗してしまう事態に陥ります。

硬化剤が少ない場合

加えた硬化剤が少な過ぎると主材の枝が充たされず、硬度不足が発生します。この少ない場合では、塗料(主剤)の枝が余ってしまい硬化しない塗装になってしまい、塗料としての機能が果たせません。また、硬化しても硬度が足りず、すぐに劣化して塗装が失敗します。

つまり、塗装後にごく短期間で、ボロボロと剥離するような塗装です。正確な施工をする上でも、硬化剤をきちんと計量する必要があります。

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