艶消し塗料とは?艶あり塗料との特徴の違いには何がある?
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艶消し塗料とは?

艶消し塗料とは、光の反射が少なく表面が光沢が少ない仕上がりになる塗料のことです。「艶なし」「マット仕上げ」とも呼ばれる艶消し塗料は表面の輝きが抑えられるため落ち着いた上品な仕上がりになるのが特徴です。

艶消し塗料には明確な定義はありません。艶のあるなしはメーカー側の判断であり同じつや消しとして売られている塗料でもブランドや製造元によって仕上がり後の雰囲気には差があります。下地と同じようにほとんど光沢なく仕上がる艶消し塗料もあればかなり明るい印象に仕上がる艶消し塗料もあります。

主に家の外壁に使われる

艶消し塗料はいろいろな場所の塗装に広く利用されています。趣味のDIYやホビー等色々な場面でミられる艶消し塗料ですが主に使われているのは家の外壁塗装です。

住宅の外壁は特別な場合をのぞいてあまり派手な仕上がりが好まれません。ピカピカと光沢のある塗料で外壁を塗装してしまうと周囲から浮いてしまい調和がとれなくなってしまいます。

光沢が抑えられナチュラルに仕上がる艶消し塗料で外壁を塗装すれば派手さを抑えたナチュラルな仕上がりになります。住宅の外壁全体が光沢のない落ち着いた仕上がりとなり高級感を演出する効果が生まれます。耐久性や耐候性についても艶消し塗料には実用に十分な性能があります。
住まいには派手さよりも落ち着きを求める人が多いこともあり光沢があると派手で目立ちすぎる住宅の外壁には光沢が少なく上質な仕上がりになる艶消し塗料がよく用いられています。

光沢度5%以下

艶消し塗料、という表記に規格や法的なルールなどはありません。メーカーが艶消しだと判断すれば艶消し塗料という名前で売ることが可能です。
ただし、業界の自主判断として光沢度5%以下のものを艶消し塗料としています。

光沢度とは平らな面に塗装された塗料に対して60度の角度から光を照射したときに正反対の方向に反射される光の強さがどのくらいなのかを測定した数字です。高いほど反射される光の量が多いほど光沢があり少ないほど光沢が抑えられています。

現在艶消し塗料として販売されている製品は反射される光の量を示す光沢度が5%以下という基準をクリアしています。艶消し塗料の他にも光沢度30%の三分艶や70%の七分艶などのように光沢が調整された塗料があります。

ナチュラルな印象を与える

艶のない落ち着いた仕上がりはナチュラルな印象を与えます。自然の風景との調和に優れ人工物にありがちな押し付けがちな印象がないためいろいろな場所に使われています。
自然な柔らかい見た目に仕上がるので日常的に目にする箇所を塗装するのに向いています。

艶あり塗料の特徴を知ることで艶消し塗料との差を知る

艶消し塗料のことを知るには正反対の性質を持つ艶あり塗料のことを知る必要があります。
艶あり塗料の特徴を学ぶことでどこが違うのか、どのように使い分ければいいのかなど正反対の性質から艶消し塗料について学ぶことができます。まずは艶あり塗料の特徴を知りましょう。

艶あり塗料はピカピカに仕上がるようになっている

艶あり塗料の最大の特徴はピカピカに輝く光沢のある仕上がりです。艶あり塗料は目立ちたい場所を塗装するのに向いています。
艶あり塗料を塗装した箇所は乾燥すると輝く光沢を放ちます。明るい仕上がりになるので華やかな印象を与え未来感や新品感を演出します。

艶あり塗料は汚れが付きにくい

艶あり塗料には汚れが付きにくく長期使用に向いているという特徴があります。
つや有り塗料は光沢を放つという性質から表面がツルツルに仕上がります。表面がフラットでツルツルに仕上がるのでチリヤホコリなどの汚れが付着しにくく、継続使用してもきれいな状態を長くキープできます。美しい仕上がりを大切にしたい集客施設や掃除しにくい場所を塗装するのに向いています。

艶あり塗料の艶は長続きしても2~3年

輝く光沢が特徴の艶あり塗料ですがその光沢は永続的なものではありません。艶あり塗料の種類や色にもよりますが艶が持つのは長続きしても2〜3年、厳しい条件下では1年持たないこともあります。
美しい艶をキープし続けるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。こまめな塗替えが必要になるのでそれなりに維持コストがかかります。

艶消し塗料が合う外壁

住宅の外壁によく使われる艶消し塗料ですが、艶消しが似合う場所、似合わない場所は当然あります。一体どんな外壁に艶消し塗料はあうのでしょうか。

ベージュなどの落ち着いた色の外壁

ベージュなどの落ち着いた色の外壁には艶消し塗料がよく合います。
落ち着いた色合いは艶ありで仕上げても光沢がそれほど目立ちません。落ち着いた色の外壁は艶消し塗料で仕上げたほうが全体に引き締まった上品な印象に仕上がります。

高級感を演出したいナチュラルな色の外壁

艶あり塗料の光沢感は明るいイメージがある反面、テカりが下品な印象を与えることもあります。高級感を演出したいナチュラルな色の外壁にはシックな印象を付与する艶消し塗料がよく合います。

周囲の家の外壁とマッチさせたい外壁

艶消し塗料は一般的な住宅の外壁用塗料として広く用いられています。周囲の住宅が艶消し塗料で塗装されている中で1軒だけ艶あり塗料で仕上げてしまうと輝く光沢で周囲から浮いてしまいかねません。
艶消し塗料なら周囲の住宅とマッチするので浮いてしまうことがありません。樹木など自然物ともよく合うので庭木との調和もバッチリです。

塗料に艶がない理由

光沢が抑えられているのが特徴の艶なし塗料ですが、艶消し塗料はわざわざ光沢がでないように調整して作られています。どのような仕組みで塗料の艶は抑えられているのでしょうか。

原料や材料に光沢の出にくいものが使用されている

艶消し塗料は原料や材料に光沢の出にくいものを選んで使用されています。
塗料の原料はいろいろありますが原料の性質によって塗料としての仕上がりにも違いが現れます。艶消し塗料は光の反射が少ない性質の原料や材料を厳選することで光沢を出にくくすることで艶のない塗料をつくります。

添加比や粒子径が調整されている

艶消し塗料は材料同士の添加比や素材の粒子径を調整することで艶を抑えています。
どの材料をどのくらい添加するのか、配合によって塗料としての仕上がりには大きな差がでます。しかし、単に光沢の少ない材料を多くすればいいというものではありません。艶をおさえつつ美しい発色や耐久性を実現するための最適の配合割合を研究し理想の添加比で製造することで艶を抑えつつ品質の良い艶消し塗料が完成します。
同じ素材でも粒子の大きさによって光の反射具合は変わります。さまざまな粒子径でテストを繰り返し性能と反射率を両立する粒子径に調整することで艶消し塗料は完成します。

塗膜の表面に凸凹ができるように調整されている

艶あり塗料は塗膜の表面が光を反射することにより光沢が生み出されピカピカ輝く仕上がりになります。艶消し塗料は逆に塗膜面を光を反射しにくい凸凹になるように調整することでマットな質感を達成しています。

艶消し塗料のメリット

艶消し塗料には色々なメリットがあります。メリットを理解することで艶消し塗料をさらに上手に使いこなしましょう。

落ち着いた雰囲気になる

光沢の少ない艶消し塗料は落ち着いた雰囲気に仕上がるという特徴があります。派手さや華やかさは抑えられますが光沢が少ない分引き締まった印象に仕上がります。艶消し塗料で塗装されていることで見る人を穏やかな気分にします。

高級感を演出することができる

艶消し塗料で塗装すると高級感を演出することができます。
光沢のある艶あり塗料はキレイで上質な印象を与えますが、輝きが強すぎることで下品で安っぽい印象を与えることがあります。艶消し塗料のマットな仕上がりには安っぽさがなく高級な印象を与えます。

周りとぶつかり合わない

光沢の少ない艶消し塗料は周りとぶつかり合いません。

輝く艶は自己主張であり、目立ちたいときには向いていますが周囲の調和には不向きです。光沢が少なく自己主張が抑えられた艶消し塗料なら周りとぶつかり合わず自然に溶け込みます。

艶消し塗料のデメリット

メリットの多い艶消し塗料ですがデメリットもあります。デメリットを理解した上でふさわしい場所に用いるのが艶消し塗料を使いこなすコツです。

汚れがつきやすい

艶消し塗料には汚れがつきやすいというデメリットがあります。

光沢を抑えるために表面に微妙な凸凹ができるように調整されているため凸凹部分に汚れ成分が溜まりやすく、外の空気に長期間さらされていると汚れていってしまいます。人の目につきやすい場所を艶消し塗料で塗装したらこまめに掃除をして汚れがたまらないようにしましょう。

値段が高め

艶消し塗料は光沢を抑えるために添加剤を加えたり粒子の大きさを調整したりなどの工程が加えられています。そのためのコストがかかることから値段は艶あり塗料よりも艶消し塗料のほうが若干高めです。

光沢感がないので質素に感じる場合もある

艶消し塗料の光沢感のないマットな仕上がりは引き締まった高級感を演出しますが、場合によっては光沢感がないことが質素に感じられてしまうこともあります。

ピカピカに輝く新品のイメージは艶あり塗料ならではの強みで艶消し塗料は苦手としています。

艶消し塗料を使う際の注意点

メリットもデメリットもある艶消し塗料は使う場所や使い方を選びます。注意点を抑えて正しく使いこなしましょう。

色見本は太陽光の下で見る

光の反射が少ない艶消し塗料は光のあたり方によって色の印象が大きく変わります。室内照明など本来の環境とは異なる光の下で色見本をチェックして選んでしまうと実際に壁に塗ったときに印象が全く異なるということがよくあります。
艶消し塗料の色見本は本番と同じ環境でチェックしましょう。外壁塗装用なら必ず太陽光の下で色見本を確認してください。

汚れやすい立地条件では注意が必要

艶消し塗料は汚れやすいので環境には注意が必要です。排気ガスの影響を受ける道路沿いなど汚れやすい立地条件のときは掃除のしやすさなどメンテナンスを含む長期的な維持管理の負担まで考えて塗料を選んでください。

明るめの色を選ぶとベター

艶消し塗料を使うと全体的にマットで落ち着いた印象に仕上がります。塗料の色選びでは落ち着いた印象になることを差し引いて明るめの色を選ぶことをおすすめします。

暗めの色を選ぶと色見本よりもさらに暗い印象になることがあります。明るめの色を選んでも仕上がりは引き締まった印象になるので問題ありません。

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